26話 ページ26
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きんとき「A〜？ドーナツ買ってきたから食べる？」
ベッドの上できんときの服に包まれながら眠っているのは最近恋人になったA。
巣作りのようで可愛くて起こそうか悩む。
寝顔を撮ろうとスマホを取り出すと仲間から一通の連絡。
きんとき「…え」
スマイル『この人知り合いの伝で探してるんだけど最近見かけなかった？』
スマイルから送られてきたのは紛れもない、
今目の前にいるAだった。
何でAとスマイルが？
それに何で追われてる……というか探されているんだと疑問が盛り沢山。
きんとき「……A、起きて。眠い所ごめんね、起きてくれる？」
「っ…ど、した、？」
きんとき「っ、知り合いから人探しを頼まれて…これ……」
Aにスマイルとの個チャを見せると目が大きく開く。
スマホをじっと見つめて横目でこっちに目線を向けてきた。
「コレ見て金は俺の事この人に渡す？」
きんとき「……いや、どういう理由か分からないし、Aが嫌なら俺は隠すよ。」
「…ちゃんと金に話すよ。俺ね、ソープランドの店長やってんの。それで俺の片思いの相手がソープランドのオーナーで死にかけの俺を拾ってくれたんね、。」
ボソボソとゆっくり話すAの目に涙が浮かんでくる。
手を握って抱きつくと震えた声で話してくれる。
「同僚に、怒って1人にして欲しくてっ…職場投げ出して酒に飲まれてた…んで、金に拾ってもらった…。どうしたらいいか分かんなくてずっと怖くて……」
きんとき「そうだったんだね。教えてくれてありがとう。でもさ、その片思いの人今は酒に溺れるくらい好き？それとも俺の事好き？」
「…金がいい。」
きんとき「じゃあお店行ってみない？Aは仕事辞めたい？それとも辞めたくない？」
「辞めたく……なぃ、かも。」
きんとき「うん分かった。Aが気が済むまでいいよって言ったからには職場復帰目指して俺のお手伝いしてみない？」
「お手伝い？」
きんとき「うん。楽しい事だよ。顔も声も出なくて俺しかAの事知らないの。どう？無理しなくて大丈夫だよ。」
「…ちょっと見てみてもいい……？」
きんとき「もちろんいいよ、おいでA。」
配信環境に案内し、説明すると少し楽しそうに笑っていた。
よかった。
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作者名：乾
| 作成日時：2023年3月8日 23時
