【WT】嬢より君に【男主】 (ページ21)

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21話ページ21

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男「お兄さーん！可愛い子めっちゃいるんで1杯どうっすか！」

フード被った彼に声をかけると目が合った。
チョロいカモと思ってナメていたら超美人。

黒髪からチラッと見える茶色い目に惹き付けられボケっとしていたらスルーしてトコトコ歩いていた。

男「ちょちょちょ…っ！お兄さん超美人じゃないすか！？俺男は試した事無いですけど俺と飲みに行きません…！？」

男の顔を見つつ、微笑む彼に見惚れていると、

「赤ん坊からやり直せばーか。」

中指立ててフードを深く被って人混みに紛れていく。
後ろでぎゃあぎゃあ騒いでいるがスルー、スルー。

キラキラした世界から一歩外れて路地裏にある店に入る。

店員がカウンターに案内する。

チラッと見えた彼の顔に一目惚れし、店員に酒を頼み彼に渡す。

男「どうかな？」

渡されたのはカンパリソーダ。
ワンナイトラブだってさ。

「…顔は良いのに誘い方がキメェから小学校からやり直せよ。俺カンパリソーダ大嫌いなんだけど。店員さん、サイドカーをブランデー多めで作ってくれる？」

頷き、彼の前に希望通りブランデー多めでかなり度が高いサイドカーというカクテルを出した。

顔だけ良い男も同じカクテルを頼みグイッと飲むとカウンターに額からぶつかりに行った。

「お子ちゃまだねぇ。そんなんで俺の事抱こうとしてんのキモいんだよ。……ねっ、同じ感じの度数高いやついっぱい作ってくれない？なるべく思いの籠ってないやつがいい。」

誰からも慰められたくない。
店に戻ってもずっとあの関係が続くだけ。
槙さんが拒絶してくれればそれで諦められるかもしれないのに、あの人は優しすぎる。

6年も続いた長い長い片思い。

返ってくる言葉はもうずっと無い。

いっその事退職して別の事すればいいか。
候補にしよ。