19話 ページ19
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黒服「冬さん……！すみません、急ぎの用で…」
冬「なんですか。」
黒服「エントランスに2号店店長の鳴さんがお越しになっているんですが…気絶しているようで……」
冬「……誰か一緒に乗っていませんでしたか。」
首を横に振る黒服。
少し頬杖付いて考えていると裏から出てきた彼に伝えた。
冬「兄さん、2号店の白髪野郎が1階にいるってさ。」
槙「こら冬、店ではオーナーって呼びなさいって言ってるでしょ。」
冬「…オーナー。」
槙「はい、鳴の事白髪って罵らないように。迎えに行くよ。」
冬「はい。」
店長とオーナーがエレベーターで降りていく。
その背後で新人黒服が副店長に声をかけた。
黒服「店長とオーナーってご兄弟なんですか…！？」
春「ん〜？あ、そうですよ！全く似てないですよね！なんか、お兄さん2人いるらしくて片方のお兄さんには似てるらしいです！」
冬「誰が似てないって？」
春の頭を鷲掴みにして振り返らせる。
冷や汗と共に震える声。
春「は、速く、ないですか…ぁ……」
冬「鳴の事楽さんが担いできてたからな。」
ぐったりしている鳴を引きずりながらも仮眠室のベッドに放り投げた。
投げられた衝動で目覚めたのか眩しそうに目に手を当てていた。
槙「鳴、何があったの？何でAと一緒に来てないか話せる？」
鳴「……多分、槙さんが仰っていた昔のAさんを見ました。その後気に障ってスタンガン食らいました。そして現在に至っています。」
槙「昔のAか……ちょっとヤバいかもしれないね。家から追い出されたからここに送られてきているんだろうし、きっとAの事だから家にはいないだろう。」
考え込む槙と申し訳なさそうにしてる鳴に向かって口を開く。
一番この場でAにとって影響を与えてしまった人物であるから。
楽「僕が原因でしょうね。」
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作者名：乾
| 作成日時：2023年3月8日 23時
