18話 ページ18
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「…」
また、自分の家の天井。
記憶が曖昧な前日。
そして違和感しかない枕。
デジャブかなにか？
鳴「おはようございますAさん。」
予想外の人物。
びっくりして固まってると近づく顔。
「え、ちょ近い近い。」
鳴「生きてた。」
「何でみんな距離感バグってんの…」
鳴「Aさんに言われると何だかモヤっとしますね。」
は〜〜〜？
この野郎顔と性格だけはお綺麗で助かるわァ〜。
鳴「この後、オーナーが話があるそうで3号店に行けたら行きましょう。僕は3号店までの支えとして指示されています。」
「支えって何なん…」
鳴「僕は状況しか教えてもらっていませんが、Aさん店で倒れられたそうです。葵くんが近寄ったらしいですが一切反応無しで家に連れてこられていた、という事の顛末です。」
「倒れ…た？また？え、何回俺……迷惑いっぱいかけてｯ…」
鳴「Aさんの体調的に支えが必要との事でしたのでこちらに参りました。」
何度も何度も、今月入ってもう2回目……？3回目？
こんなんじゃ辞めさせられても文句は言えない。
槙さんに捨てられたらもう立ち直れない。
「っ」
違うなぁ、槙さんは最初から俺の事拾っただけでずっと一定の距離で壁作ってただけや。
俺の好意も依存も、あの人には何の意味も無いただの空気みたいな存在。
鳴「…もしかして失恋ですか？」
「おまっ、お前無神経やなｯ…！体調悪いって分かってんなら気ィ遣えやアホンだら…！クソが。」
鳴「おぉ……凄いチンピラみたいです。」
「ｯ"…帰って。」
鳴「嫌です。3号店に連れてくるよう指示されています。」
「ええからさっさと散れや鳴ｯ…！」
キッと睨みつけてベッド下の収納からスタンガン取り出して鳴に向けてスイッチを押す。
呻き声が部屋中響いて聞こえなくなった頃には完全に落ちた鳴。
そのままタクシーを呼んで3号店の住所と乱雑に書かれたメモを鳴の手に握らせ、運転手に金を投げつけて送り返す。
「トンズラこいたらぶっ殺すぞお前。」
軽く脅迫して家に戻って行った。
「ｯち……クソだりぃ。」
玄関扉にもたれかかって小さく呟いた。
「拾ってもらわん方が幸せやったやろ絶対…」
死確定やけど。
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作者名：乾
| 作成日時：2023年3月8日 23時
