17話 ページ17
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「……あ！完全紹介制ソープランドへようこそ〜！ご予約取ってはりますぅ…？」
予約表を確認しつつお客をじっと見つめる。
取ってないがロッカがいい、と答えたお客に残念そうな目で答えた。
「ごめんなさい〜…！ロッカは全コース本日は予約いっぱいなんです〜。ロッカみたいな子が好みでしたら〜…イチハが2時間、ミツナが1時間のコース空いとります。いかがなさいますか…？」
接客はほぼ完璧。
表情管理も客前では流石槙に扱かれてただけはある。
だけど…。
楽「葵くん、アレのダメだったとこ分かりますか？」
葵「え…ダメなところ………ｯ、すみません、分かりません。」
楽「あのお客様はロッカが良いと仰っています。もちろん売上に繋がるのであればイチハやミツナで対応してもらうのは良い事です。ですが…予約表を確認した感じ、あのお客様は初回以降全てロッカで予約を取っていました。そんななか、他の女性を勧められた時どんな反応なさると思いますか。」
葵「…予約が出来ない日もあったから今までは諦めて帰宅していた所に他の女性従業員……少し不快ですね。」
客の表情が物語っているように、少し表情を曇らせて帰ろうとしていた。
そこを繋げようと別の女性を勧めているA。
楽「葵くん…君が次に出来る対応はもう分かりますよね。」
葵「……対応させて頂きます。失礼いたします。」
楽に会釈し、Aの元に足を運ぶ。
横から入ってきた葵にびっくりしつつ後ろに退いた。
葵「お客様、ロッカのご予約ですが、求めているご予約とは違いますが1時間コースでしたら明後日頃に取れると思います。いかがでしょうか？」
予約モニターを客にロッカの予約状況を見せて承諾を得る。
無理に言って申し訳ないと頭を下げ去っていった。
楽「葵くん正解。Aくんは説教。」
葵「ありがとうございます。」
「…はい。」
楽「Aくん…行動全てが不正解という訳ではありません。挨拶、受付対応までは大丈夫でした。その後ロッカ単体予約のお客様に他の女性従業員を勧めた事は不正解です。何故なのか、理解出来ますか。」
「…」
これが分からなければ店長降格に一歩近づく事になる。
素材と表情管理や対応は完璧に近い、
もっと鍛えれば宝石になり得る。
葵「……A？」
まさか自分が原因になるとは思ってなかった。
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作者名：乾
| 作成日時：2023年3月8日 23時
