12話 ページ12
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葵「A大丈夫……か？ちゃんと息出来る？」
「っ、ご、ごめん…。気が動転してて……」
葵「体調は？めまいとか、グラッとする感じしない？」
「大丈夫………あ、あの…楽、さん。」
寝室の椅子に座って目を瞑っていた楽が目を開けてAの方に顔を向ける。
初対面のような腹立たしさはほぼないに等しい。
多分キスされたから。
「ご迷惑おかけしました…。」
楽「僕の方こそ体調不良の貴方に強く当たっていました。それは失礼いたしました。貴方の体調と今後の接し方次第ではこの間の約束の取り下げを検討いたします。」
「……それ、は、槙さんへの接し方…」
楽「もちろん。」
好きな人の恋人。
槙さんは嘘を付かない。
この人は知らない。
でも嘘を付かない槙さんの恋人ならきっと嘘を付かないのであろう。
僕らを6年前に助けてくれた救世主。
僕らをここまで信頼してくれた愛しい人。
簡単に離れる事なんて出来やしない。
楽「葵くん、君はここに何しに来たんです。あと先程玄関のところで気にしていましたが誰かに送迎されていませんでしたか。」
葵「あ、店の状況と新人の処理の報告で来ました。えっと……楽さんと会う前に槙さんのおつかい終わって帰ろうとしたら襲われてしまって……」
ピクつく楽に焦っていると椅子から立ち上がって自身の前まで迫ってきた。
頬に手を置かれ、見下ろしてくる。
楽「忠告前だったので特に何も追及しませんが……君らが傷つけば悲しむのは槙なので気を付けてくださいね。」
葵「は、はい。重々承知いたしております。あと、その後にどこの組の方か定かではありませんがカタギではない方に助けて頂きました。お礼として俺の名前と店の名前を教えて後日来店されましたら対応しようと考えています。」
楽「了解です。槙に伝えておきます。一応天神さんに確認するので特徴教えて貰っても？」
葵「えっと…＿＿＿＿＿。」
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作者名：乾
| 作成日時：2023年3月8日 23時
