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1話 ページ1

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「…」




だだっ広いホールの中心で1人佇む自分。
エレベーターから人がゾロゾロこちらに向かってくる足音と声に顔を向け、満面の笑顔で出迎えた。



「あら〜お久しぶりですねぇ?一見さんやと一瞬思ってしまいましたやん…!」




少し横に広い男の手を握って上目遣いで対応している。
自身の右手を後ろに持っていき、『1,2』と指で指示。


そばにいた黒服が1番と2番のボタンを押した。



「今日ね〜、ちょーっとオーナーが僕に用があるんやて…だから僕もお客さんと一緒におりたかったんですけど…」





大丈夫だよ、と声がかかりパッと顔を明るくさせた。



「ほんまに〜?ホントに申し訳ないんで予約がちょっと取りにくい女の子をセットで部屋入れたんで、喜んでもらえると思います〜ぅ。」




手招きして部屋を開けると待っていた女の子2人。

客を見るな否や駆け寄ってAの頭を撫でて、客の手を引っ張って部屋に連れていった。



「んふ、ごゆっくり〜。」





ホールに戻れば受付にいるちょっと猫背の愛しい人と小さな男。



「槙さんっ」





槙「あ、Aお疲れ様。ごめんねいきなり声掛けて。」





「いやいやいや!槙さんに呼ばれるなんて嬉しくてお尻がちょっとむずい事になるんで…」




腰をくねくねさせるAの尻に蹴りを入れる。
激痛で床に這いつくばりながら尻を押さえている。



葵「気持ち悪ぃこと槙さんに言うなクソ野郎。」




「ッッ"……ぁッは…♡前日やってたからますます立てなくなったじゃんっ…」




槙「誰と寝たか後で教えてくれる?」




Aの手を引っ張り、腰に手を回しつつ立たせる。
至近距離で愛してる人がいるからなのか赤面のまま硬直してしまった。





槙「あれ…A?」




黒服が案内したVIP部屋のふかふか椅子に腰に気遣いつつ座らせると寂しそうに槙の方を見ていたA。


すぐにでも唇を奪える距離。
このまま奪ってしまえば少しは自分の事を考えてくれるだろう。

その一心で槙の首に手を回して痛む腰を浮かせて顔を近づけようと力を入れると無理矢理引き剥がされた。




近くにいた葵は何もしていない。
黒服が自身に楯突くことは絶対にない。






冬「おい何しようとしてんだお前。」




「…………誰お前。」

2話→



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作者名: | 作成日時:2023年3月8日 23時

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