宣言 ページ1
「そろそろ結婚しようかと思って」
グループ全員が揃った打ち合わせが終わったタイミングで、ご飯でも食べに行くみたいな表情と口調で彼は言った。
そりゃ、みんなびっくり。
「おめでとう」と言うべきなのか「誰と?」と聞くべきなのか、最初のひと言が出て来ない。
「じゃあ、お疲れ。お先」
カバンをつかみ、手をひらひらさせて、出て行こうとするから、名前を呼ぶ。
「いのちゃん!」
振り返った彼は、これから結婚する幸せいっぱいな表情とはまるで違っていた。
「おめでとう」
そう、誰かが言ったら彼はくるりと背中を向けて、また手をひらひらさせて、今度こそドアから出て言った。
ドアがばたんと閉まったあと、みんなが見る先はひとつ。
「結婚。するの?」
誰かが恐る恐る聞く。
「そう言うなら、そうなんじゃない。知らないけど」
帽子を目深にかぶったグループのエース様は、不機嫌そうにスマホを触りだした。
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昨日(プロフ) - 闇さん» コメントありがとうございます!ゆっくり更新ですがお付き合いください😆 (1月21日 22時) (レス) id: 8e12f8e7ab (このIDを非表示/違反報告)
闇(プロフ) - このお話凄く好きでいつも更新楽しみにしています! (12月29日 23時) (レス) @page5 id: 9b21f76b05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昨日 | 作成日時:2023年12月9日 7時