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Episode51 ページ1

太宰が医務室を出てからニ十分程、宣言通りに戻ってきた太宰の背後には、森もいた。

「わざわざ来ていただき、ありがとうございます。俺の管理が行き届かず、申し訳ありません。」

すぐに立ち上がり、頭を下げる中也。

「構わないよ。君も今日は非番だったんだろう?私もAちゃんが心配なんだ。」

普段と格好の違う中也に、森も中也の心中を察する。

Aの枕元の椅子に腰掛ける森。
中也と太宰は足下側に並んで立つ。

「もう一時間程この状態で。そろそろ目を覚ましてもいい頃なのですが。」

医師の説明に森も険しい表情になる。

「精神的な病状については医者の私も正確な事は言えないからね。彼女が目を覚ますのを待つしかない。起きた時に記憶が戻っているかもしれないし、悪化していることも考えられる。」

森の言葉に中也の表情は歪み、太宰は拳を握りしめる。

「首領、イエロースネークというのは…?」

今のところ唯一Aの記憶の手掛かりとなりそうな単語。
中也は少しでも情報が欲しかった。

「私も聞いたことがない。おそらく海外の組織だろうね。太宰君、例の男からできるだけ情報を搾り取ってくれるかい?尋問はまだ途中だっただろう。」

「はい。今直ぐにでも。」

頼んだよ、という森の言葉に部屋を出て行く太宰。

森は中也に向きなおる。

「この子が以前何処に居たか、おおよそでもわかっているのかい?」

「言語に対する馴染みの深さから考えると、英語圏が最有力かと思われます。」

Aが本を呼んで一番しっくりきたという言語は英語だった。

中也の言葉に森は微妙な表情をする。

「中々広いね。まぁ、私も調べてみよう。組織の名前はわかっている訳だしね。君は彼女が起きるまで付き添っていてあげてくれ。起きないようだったら一度太宰君と交代してくれて構わないよ。」

中也はわかりました、と返事をしたが、太宰と交代する気はなかった。

Episode52→



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noel(プロフ) - あやねっちさん» 嬉しいです!!ありがとうございます、これからも頑張ります (2020年4月4日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 1からここまでよみました 最高でした更新楽しみにしていますね (2020年4月4日 16時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:noel | 作成日時:2020年3月30日 9時

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