秘密事 (ページ7)

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「どうやった？もうちょい変えたいから、まだ完成では無いけど」
『すごい、京極凝縮しましたって感じ』
「はは、一番ええやん、それ」

会話が途絶えて、笑い声が消えて、一瞬、音が無くなった
だから、京極が立てたソファの軋む音がやけに大きく聞こえて

「嫌やったら、逃げてな」

そう言って、骨張った手が私の頬に添えられた
その動きのぎこち無さが、らしくないな、と思いながらも不思議と逃げる気にはならなくて

もう子供じゃないし、言葉の意味も、これから何が起こるかさえも、簡単に予想できるけど、嫌じゃないとか、もしかして私って京極のこと好きだった？

ふと浮かんだ考えの答えを出すよりも先に、目を瞑っていた

唇が空気に触れるのを感じて目を開ける

うわ、駄目だよ京極
そんな目で私のこと見たら

優しさやら期待やら自信が全部どろどろに混ざった目線に捕らえられて、もう逃げられない

『京極、難しい』
「はは、A俺より頭良いやろ？」
『関係ないし、ムズい、一瞬好きかもって思っちゃったし』
「…なぁ、それ一瞬で済まさんようにも出来るけど」
『えぇ、どうしよ』

一応、迷ってるふりはしてみるけど、答えなんて二人とも分かってるし

「迷うくらいならやめとき？」

笑いながらのこんな意地悪も
私が伸ばした両手によっていくらでも封じ込められる

「以外と大胆やな、A」
『京極もね』
「でも嫌いじゃないやろ？」

再び重ねられた唇に、バレてた、とか思ったり

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