この世界で君は (ページ8)

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あの夜から２ヶ月ほどがたった。

　今日は、あの日から始めての通院の日だ。ずっと不安だった気持ちが今日を境に落ち着いてくれることを願っていた。

看護師「３７番の方、特別診察室へお入りください」

　西畑が呼ばれうとうとする気持ちを振り切って立ち上がった。

石田「久しぶりだね、大吾くん」

　１８歳の頃からお世話になっている石田先生の声を聞いた瞬間、緊張の糸がほどけてしまった。

　目から涙が溢れ出して止められない。

石田「どうしたぁ、どうれ！先生に話してみなさい。」

　なんとなくだが、先生は西畑が何を言うか分かっている気がした。

「先生、先日薬を飲まずにそういうことをしてしまいました」

石田「ええっと・・・それは望んでしたこと？」

　無言で首を振ると、石田先生は丁寧に質問してくれた。

　お腹が張っている感覚はないか、昼間でも眠くなることが増えてはいないか、熱っぽくはないかなど１０個程の質問を受けた。

　その多くが西畑に当てはまっていて途中から辛くなってきた。

　西畑の様子を見かねた石田先生が、「まずは検査をしてみましょう」言ってくれた。