この世界で君は (ページ37)

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廉side

何か話し声が聞こえて、目を覚ますと正門が泣いている大吾を抱きしめている。

　2人共、凄く楽しそうで羨ましくなった。

平野「あれぇ、正門いつの間に?」

　頭上から声が聞こえる。

　何で頭上なのかと気になり勢いよく上を見た。

平野「いっっっったぁ！」

　目の前には涙目の愛しい紫耀が・・・

「え！しょ・・紫耀！！」

平野「何で、驚くの・・・？」

　何で驚かないのかこちらが聞きたいぐらいだった。

西畑「覚えてない？昨日紫耀に抱っこされたまま寝てたやん」

　その言葉を聞いて、いろんな意味で恥ずかしくなった。

　すぐさま紫耀の腕から抜け出そうとしたが、絶対に離れない。

　昨日もこんなことがあった気がした。

「良かった、大吾が泣いてる・・・」

　取り敢えずこの状況を受け入れてそう言った。

西畑「泣いて喜ばれるのも変な気分やな」

　目を真っ赤にした大吾が笑った。

　そんな大吾から側にいれなかった時間以上にくっつく正門が可愛い。

　小さな頃の日曜日もこんな感じだった気がする。

　2人の子供が生まれたらこんな毎日になるんだろう。

　あったかくて、優しくて、ぬくぬくといつまでもいたいと思う。

　大阪に帰って来た時の、俺と大吾と正門とはっすんで笑いあう朝。

　でも、これからはそこに俺はいられなくなる。

　3人家族の邪魔はできない。

　

　俺を今、抱きしめてくれる人も他の誰かを抱きしめる。

　だよね、紫耀。

平野「ねぇ、廉違うよ」

　

　

　

　

　