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西畑side
とにかく気持ちが悪くて、パニックになり視界が真っ暗だった。
体に力が入らないし、恐怖心が体を蝕んでいく。体温が下がるを感じた。
正門「大吾、辛いなぁ苦しいなぁ、隣にいるで」
耳元で優しい声が響く。正門が優しく背中を撫でてくれているのが安心感を生む。
緊張していた体から力が抜けていった。
すごい力で手を握っていたからか、正門の手は真っ赤だった。
「正門、ありがと・・・」
少し落ち着いてからそう言うと、正門がぎゅうっと抱きしめてきた。
正門「良かったぁ・・・」
その力の強さから、どれだけ正門も不安だったかが分かる。
そりゃそうだ。正門は西畑が急に具合が悪くなったと思ってのだろう。
はっすんに至っては、救急車を呼ぼうとして廉に必死で止められている。
廉「か、か、和也・・・落ち着けや！」
大橋「なんでや・・1分1秒が命取りやん！」
廉「今回に関しては・・・まだダメや、呼ぶときはちゃんとお願いするから！」
大橋「今回って、そうやって人の命が失われていくんやで！」
全てを知っている身としては感謝半分、焦りや面白さもこみ上げてくる。つい、にこにこしながら見てしまった。
廉がはっすんの手をなんとか抑えているが、もうすぐで救急車が呼ばれてしまう。
「待ってや！ちゃうんよ。ただ、つわりやねん・・・」
言い終えた後、反応は様々だった。
西畑自身は、勢いで言ってしまったことの後悔で頭を抱えた。
正門は両手で空を仰いだ。
廉は小さく安堵の声を漏らした。
はっすんが「え！じゃあ救急車はなしでええんか？」と言って笑った。
大橋「病気とかで死ぬってわけやないんか！良かった、おめでたいことやんな」
はっすんの素の優しさだった。その言葉に勇気をもらう。
心を落ち着かせて、正門と向き合う。
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作者名：はやせ | 作成日時：2021年3月14日 18時
