それはまるで蝶のようだった (ページ9)

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ファーストクラスページ9

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『ご案内いたします。
ただいまより〇〇401便の
搭乗手続きを開始します＿＿＿』

それから２週間後、私は空港にいた。

直前まで行く気がなかったんだけど、
芽映に「行け！」と言われまくったし、

両親にも「せっかくだから海外の空気に触れておいで。
何か吹っ切れるかもよ」と半ば追い出された。

幸い、足のギプスも取れて
無理をしなければ歩いていいと言われた。

……まぁ、手術をしないと
完全には治らないし、
手術をしたところで
もう踊れないことに変わりはないけれど。

それでも海外に行くことに支障はないし
なんとかマカオまでは行ける。

しかも、向こうの空港では
日本人のスタッフさんが待っていて、
もし歩くのが難しいようなら
車椅子で移動できるように
サポートしてくれるらしい。

そんな至れり尽せりがあるから
親も私を送り出したんだと思う。

搭乗時間が近付いてきて
私は小さなショルダーバッグを持って
ゲートに向かう。

初めての海外。

初めての飛行機。

緊張しながらチケットを見せて
機内に入る。

「……ちょっと待って」

私に用意されていたのは
ファーストクラスだった。

なんだか次元が違いすぎて
頭がおかしくなりそうだ。

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