それはまるで蝶のようだった (ページ45)

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お兄さんと２人ページ45

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車に乗り込むとベッキョンさんが
日本語のガイドブックを見せてくれて、
どこに行こうかという話になった。

でも、ギョンスさんの提案で
お昼の時間も近かったし
とりあえずお昼ご飯にしよう！
ということで早めの昼食を取ることにした。

ベッキョンさんの運転で
車はロータリーを出る。

『ベッキョンさんって運転できるんですね』

『うん、できるよー。どうして？』

『なんか…いつもチャニョルさんに
乗せられてるイメージが強くて… 』

『ヤー！笑失礼な！』

『でも実際チャニョラに乗せられてるじゃん』

『ヤー！ギョンス！』

ギョンスさんのツッコミに
ベッキョンさんはビーグルみたいに
キャンキャン吠えている。

ところがラジオから曲が流れてくると
ベッキョンさんは歌い始めて
綺麗な歌声を聞きながら
目的地に向かった。

連れてこられたのは、
静かなカフェだった。

『オーダーしてくるね！』と
ベッキョンさんが席を離れると、
必然的にギョンスさんと２人になった。

ちょっと気まずいなぁ…なんて
思っているとギョンスさんが口を開いた。

『ベッキョナがうるさくてごめんね』

『いえ、賑やかで楽しいです』

『ジョンイナも最近よく喋るんだよ。
元々すごく物静かな性格なんだけど
最近はベクやセフナに劣らない
ビーグルぶりを発揮してるよ』

そう言ってギョンスさんは苦笑した。

『ジョンイナと出会ってから
６年くらい経つけれど、
やっと本音を話してくれる
ジョンイナを見ている気がする。

たぶんAちゃんのおかげだね』

『いえ、そんな…… 』

私がオッパを変えたと言われても
私は何もしていないし、
出会う前のオッパを知らないから
その変化も分からないのだけれど、
それでも良い方向に向かっているのなら
それはすごく嬉しい。

でもギョンスさんは少し悩んだ素振りを見せると
複雑な表情をしながら話し始めた。

『 …僕らは職業柄、
外を自由に歩くことがあまりできない分
なかなか友達もできないから
Aちゃんがジョンイナの友達に
なってくれたことはすごく嬉しい。

…でも、本人たちが"友達だ"って
言い張っても外から見たら
そうは見えないこともある。

ジョンイナがAちゃんに
好意を抱いているから尚更ね』

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