それはまるで蝶のようだった (ページ42)

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もっと遠くにページ42

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レントゲンを撮って、待合室で待つ。

怪我をしてからもう４ヶ月。

ギプスが外れて３ヶ月。

まだ経過観察中だ。

私的にはもうほとんど治っていると
思っていたけれど、
レントゲン写真を見た先生の顔は
深刻そうだった。

「あの…先生、私の足治ってないんですか？」

「うーん…治っていることは治っています。
脱臼しかけていたところも癖が治っているし
日常生活を送るうえでの問題はないです。

ただ…… 」

「ただ？」

「将来的に膝に痛みが出てくるかもしれません。
あくまで可能性があるとかは言い切れませんが
歳をとってから歩けなくなる可能性も…… 」

＿＿歩けなくなる？私が？

怪我をするまで健康優良児そのものだった私が
将来的に歩けなくなる？

「立花さんは手術を拒否なさってきましたが
やはり手術は受けた方がいいかと」

「 ……でも、手術を受けても
ダンスはもうできないんですよね？」

すると、先生は一瞬驚いた顔を見せると
目を伏せた。

「 …聞いていたんですね」

「はい。だから、手術はしないって
決めていたんです」

「ですが、これからのことを考えて
手術を受ける方をおすすめします。

もし将来、歩けなくなった時に
大変な思いをするのも
悲しい思いをするのも
立花さんと立花さんの大切な人ですから、
よく考えてみてください。

手術を受けない限り、
完治しないものと思ってください」

『大切な人』
＿＿その言葉がやたらと胸に響いた。

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