それはまるで蝶のようだった (ページ5)

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蝶が舞うページ5

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初めて見るけれど、
このグループは全てがハイクオリティーだ。

曲は韓国語だけど
歌が上手いことはよく分かるし
ダンスだって全員が上手い。

たくさん練習してきたのがよく分かる。

すごいなぁ…なんて傍観しながら
ペンライトを振る。

芽映は隣りで
「チャニョルー！」なんて叫んでいる。

あの、やたら背の高いイケメンが好きみたい。

公演中盤、バラード曲が続く。

人魚の涙と呼ばれている曲が終わると、
目の前のステージに誰かが現れた。

そして、また人魚の涙が流れ始める。

スポットライトが目の前のステージを照らす。

その瞬間、

「 ……ｯ」

思わず息を飲んだ。

白いワイシャツにレザーパンツで現れた彼は
音もなくふわり、と宙を舞った。

待ってましたと言わんばかりに
歓声があがる。

彼の動きはとても優雅で。

でも表情はとても楽しそうで。

長い手足をしなやかに操って踊っている。

沸き上がる「キム・ジョンイン」のコール。

気が付けば私は、

「……っ、っ、」

泣いていた。

目の前で踊る彼があまりに綺麗すぎて、

儚すぎて、

まるで蝶が舞っているみたいだと、
そう思った。

そして、ダンスの終盤。

スポットライトが消える直前、
パチリとその瞳がこちらを捉えた。

流れる沈黙、そして暗転。

＿＿＿彼と目が合った気がした。

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