それはまるで蝶のようだった (ページ39)

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この上なくページ39

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『 ……知ってたの？俺の誕生日』

『もちろん！本当はね、
このお祝いのために来たんだよ』

ケーキのろうそくに火をつけて
オッパの前に差し出す。

『はい、オッパ。
韓国だと願いごとをしてから火を消すんでしょ？』

『う、うん… 』

まだ動揺した様子のオッパは
キャップを脱ぐと静かに手を合わせた。

それからフッと火を消す。

『おめでとう！オッパ』

『ありがとう』

ちょっと照れくさそうに
はにかむオッパ。

『この飾り付けもAがしたの？』

『そうだよ！』

部屋中に飾り付けたカラフルな風船。

ボードは私が切り抜いて作った手作りだ。

昨日ホテルに着いてからずっと準備した。

『それから、これはプレゼント』

『え、本当？開けてもいい？』

『うん』

オッパは目をキラキラさせて
リボンを解いた。

中身は……

『イヤホン？』

『うん。ダンスみたいな激しい動きでも
外れないように設計されてる
ワイヤレスのイヤホンなんだ。
名前も入れてもらったから、
世界に一つだけのイヤホンだよ』

『へぇ～すごく便利！
ありがたく使わせてもらうね！』

オッパは早速イヤホンを耳にハメて
嬉しそうだ。

『よかった～、喜んでもらえて』

『俺はAが祝ってくれたことだけでも
すごく嬉しいよ？』

『だって、K-POP界のトップアイドルを
お祝いすることほど緊張することなんて
そうそうないよ？』

『 …あのね、A、』

オッパの両手が私の頬を包んだ。

ふわりと笑ったその瞳が私を捉える。

『前にも言ったけど、
俺は"EXOのKAI"である以前に
"キム・ジョンイン"っていう１人の人間なの。

だから、友達に誕生日を祝われるのは
何歳になっても嬉しいし、
友達がわざわざそのために
日本から韓国まで来てくれるなんて、
これ以上嬉しいことある？

その友達が自分が好きな人なのに
こんなことされて
喜ばない男がいる？』

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