それはまるで蝶のようだった (ページ36)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:134,556 hit

サプライズ開始ページ36

.

『おいしかった～』

『それは良かった』

『でもまた奢ってもらっちゃった』

『俺はアジアの初恋って言われてる
キムジョンインだよ？
稼いでるんだからいいの』

『じゃあ、大人しく奢られます。
ご馳走さまでした』

『どういたしまして。笑
てか、なんでお前そんな寒そうな格好してるの』

『韓国がこんなに寒いとは思わなかっただもん』

『俺のコート着て待ってて。
車出してくるから』

『え、ちょっと、』

私がオッパを呼び止めるより先に
オッパはそそくさと車に行ってしまった。

ほどなくして私の目の前に
黒塗りのベンツが止まった。

『お待たせ』

『そんなに待ってないよ』

『そう言いながら鼻が真っ赤だけど』

『韓国が寒すぎるんだよ』

『そんなんで韓国で暮らせるの？笑』

オッパは鼻で笑いながらも
なんだか嬉しそうだ。

『もしかして、Aが韓国に来る頃も
もう寒くなり始めてるのかな』

『あ、３月にまた韓国に来るよ。
こっちの大学の見学をしに』

『じゃあ、また２ヵ月後には会えるんだね』

そんな話をしていても
もう別れの時間が近づいているからか
オッパの表情が少し曇ってきた。

…まぁ、私はこれからサプライズを
決行しなければいけないから
また明日会えることは分かっているんだけどね。

ホテルの前に着くと、
オッパは小さく息を吐いた。

『もうバイバイだね』

『そうだね』

『メッセージも送るし電話もするから。
早速今日の夜からするから』

『オッパはせっかちだなぁ。笑』

『 …じゃあ、気をつけて帰れよ』

『うん。ありがとね』

オッパにトランクを下ろしてもらって
手を振りながらホテルに入った。

……さて、ここからサプライズの始まりだ！

.