それはまるで蝶のようだった (ページ35)

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待っててページ35

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『 ……へ、』

オッパは豆鉄砲を食らった鳩のような顔で
私を見つめてくる。

『本当？』

『まだ決まったわけじゃないんだけどね、
進学する大学がこっちの大学と提携してて
こっちの大学に留学しても日本での
大卒資格を取れるんだって。
一番早くても韓国に来られるのは
後期の始まりに合わせて…って感じだけど』

あくまで上手くいけばの話だけど、
それでも早く韓国に来たいと思っているのは
事実だからオッパに報告したかった。

『オッパは、歓迎してくれる？
私の夢、応援してくれる？

……待っててくれる？』

弱々しく下がった語尾。

やっぱり拒否されるのは怖い。

俯いていると、
オッパが『顔を上げて』と言った。

言われた通りに顔を上げると、
そこには優しい笑顔のオッパがいた。

『 A、俺はAの夢なら
いくらでも応援するし、
そのために韓国に来るなら
できるだけ支援する。

この国がAの第二の母国になるくらい
俺がこの国のこと教えてあげるし
見たことないものを見せてあげる。

俺もAと同じ景色を見たいし
たくさんのことを共有していきたい。

だから、早く来て。
ずっと待ってるから』

＿＿その言葉は、
オッパの傍にいていいってことなの？

私、ここに来てもいいの？

そう確信が得られると、
なんだか安心して堰を切ったように
涙が溢れてきた。

『え、ちょ、A… 』

『あ、ごめんごめん。
嬉し涙だから……っ。

オッパ、ありがとう』

外は白いものが舞い始めるくらい寒いけれど
心はぽかぽかだった。

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