それはまるで蝶のようだった (ページ30)

今日:7 hit、昨日:36 hit、合計:134,593 hit

オンニページ30

.

『へー…じゃあ、オッパは待たされてるんだ』

ちゃっかりオッパのカードを使って
コーヒーを買ってきたスジョンさんは
私の横に座った。

オッパは不機嫌そうだ。

『そういえば、さっき
スジョンさんのお姉さんが
日本で活動してたって…… 』

『うん、そうなの！
私のオンニ、ジェシカっていうんだけど
知ってる？』

『え、少女時代のジェシカですか！？』

『うん！やっぱりオンニは有名よね～』

『 ……少女時代先輩は知ってるのに
俺らのことは知らなかったんだ』

むすっとしたオッパから
ボソッと発せられる一言。

『オッパ、何言ってんのよ。
そりゃ少女時代先輩はオッパたちが
デビューする前から日本活動してるんだから
当たり前でしょ』

そして、バッサリ切り捨てるスジョンさん。

すると、スジョンさんは
私の耳元に唇を寄せてきた。

『オッパ、子供っぽいけどこんなのでいいの？』

『こんなの、って笑
むしろ、どうして私なんかって
感じですけど…… 』

『 Aちゃん、美人だし
とっても良い子なのに！？
むしろ私と付き合う！？』

『おいこらスジョン』

オッパによって強制的に引き剥がされた
スジョンさんは『はいはい』と言って
立ち上がった。

『じゃあ、私今から撮影だから…
Aちゃん、滞在楽しんで！
今度韓国に来たらゆっくりお茶しようね！』

『はい！スジョンさんありがとうございました！』

『やだな、スジョンさんなんて。
オンニでいいよ！じゃあね！』

そう言って颯爽と去っていく
スジョンさん…改めてスジョンオンニは
やっぱりとても綺麗だった。

『 ……なんか、A楽しそう』

『だって、あんなにズタボロにされてる
オッパ見てるとおかしくて…… 』

相変わらずむすっとしているオッパは
熱々のチゲを掻き込んだ。

オッパの嫉妬の幅は広い。

.