それはまるで蝶のようだった (ページ29)

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まだ、友達ページ29

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『なんでスジョンがここにいるんだよ』

『なんでって、これ！』

そう言ってスジョンさんが
オッパに渡したのは車の鍵だった。

『チャニョルオッパに頼まれたの。
聞けば女の子を連れてるって聞いたから
何事かと思って来たのよ！』

ぎゅいん、と音がつきそうな勢いで
スジョンさんの視線が私に移る。

『あなた、名前は？
何歳？どこから来たの？』

『あーあースジョン。
あんまりAをいじめないで』

『 Aちゃんっていうの？
もしかして、日本人？』

『あ、えっと…はい…… 』

『へぇーそうなんだ！
私のオンニも前に日本で活動しててね！』

食いつきのよいスジョンさん。

オッパは呆れ顔…というより諦めた顔だ。

すると、スジョンさんは
『あ、自己紹介してなかった！』と
私に向き直った。

『私、チョン・スジョンっていうの。

長らくアメリカに住んでたから
クリスタル・チョンって呼ばれる方が
多いんだけどね。

f(x)ってグループでボーカルやってます』

にこっと笑ったスジョンさんは
とっても綺麗な人だ。

何よりこの食いつきっぷりは
アメリカ人に近くてすごく分かる。

『あ、私、立花Aって言います。
高校３年生です』

『え、高校生なの！？
ちょっとジョンインオッパ！犯罪じゃん！』

『まだ友達だってば！！
スジョンはうるさいんだよ！！』

"まだ"というワードに
そういえば私ってオッパに告白されたんだよなぁ…
と思い出して、顔が熱くなる。

もう知り合って結構経つけれど
まだそういう風に見られていることに
すごく恥ずかしくなった。

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