それはまるで蝶のようだった (ページ28)

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オッパとごはんページ28

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その後、オッパが『お腹すいた』というので
私もお昼がまだだったし
SMビルの食堂で昼食を取ることにした。

『ここ、私が入っても大丈夫…？』

『俺もいるから大丈夫だよ』

そう言うオッパはなぜか私の右手を握っている。

こころなしか、機嫌が良いみたい。

少なくとも、私がこうして来たことは
悪い事じゃなかったようで安心した。

『何が食べたい？』と言われても
私は話せてもハングルはさっぱり読めないし
韓国料理も数えるほどしか知らないので、
オッパに任せることにした。

オッパが私の知らない韓国語で何かを頼む。

お会計のために財布を出そうとすると
オッパに無理やり財布を仕舞わされた。

こんなところでもカードを使っちゃうオッパを見て
さすが芸能人だなぁ…なんて思っていると
ご飯が運ばれてきた。

『わ！おいしそう！』

『クルチュッって言うんだよ』

『クルチュッ？』

『うん。クル(牡蠣)のチュッ(粥) 』

『 ……？』

『さすがに分かんないか……笑
食べてみなよ、おいしいよ！』

食べてみると、
日本でも馴染みの味が口に広がった。

「あ、牡蠣！」

『かき？』

『うん、日本だと「牡蠣」って言うんだ』

『なるほど、じゃあクルは「かき」だね』

そのクルチュッを口に運んでいると
突然『オッパ！』という声が響き、
ダダダ！というすごい足音がしてきた。

声がした方を見ると、
とんでもない美女がこれまたとんでもない形相で
こっちに向かってきている。

『げっ、スジョン』

『オッパ！どういうこと！？この子は誰！？』

な、なんだか修羅場になりそうな予感…。

すると、その美女の口から飛び出したのは
思っていたのと違う言葉だった。

『誰よこの可愛い子！紹介しなさいよ！！』

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