それはまるで蝶のようだった (ページ3)

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惨めな日付ページ3

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怪我をしてから１週間。

怪我をした右足はギプスで固定されて
うまく歩けないから外に出なくなった。

…ちがう、本当は出たくない。

もうダンスを踊れないという現実に
心が押しつぶされそうで、
誰にも会いたくなかった。

踊れなくなったからって
人生が終わったわけじゃない。

ギプスが取れれば
日常生活に支障はない。

いつも通りに過ごせる。

でも、こころは空虚だ。

「ねぇ、A！
EXOの東京ドーム公演に行かない？」

そんな時、同じダンススクールで
同じ高校に通っている親友の芽映(めばえ)が
チケットをひらひらとかざしながら
目を輝かせた。

「えくそ…？なにそれ」

「韓国のボーイズグループなんだけど、
歌もダンスもビジュアルもカッコイイんだ！
ね？行こうよ！」

芽映は無類のK-POPファン。

また新しいグループにハマったのか…と
手元のチケットを見る。

その日付は、
私が怪我をしてなかったら
事務所と契約を結ぶはずだった日だった。

「 ……私、そのグループ知らないし、
…怪我…してるし、」

「私が車椅子押すからさ！
ね？お願い～～～～」

必死に顔の前で手を合わせる芽映。

…まぁ、家で惨めな思いをしているより
マシかもしれない。

そう思ってOKした。

＿＿これが運命の出会いの鍵とも知らずに。

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