それはまるで蝶のようだった (ページ19)

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オッパの助言ページ19

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「きょう、げんきないね？」

「えっ」

久しぶりのオッパとの電話の時間。

あっという間にめきめきと
日本語での日常会話が上手くなったオッパが
不意にそう口にした。

「なにかあった？」

「うーん…何かあったと言えばあったし、
少し前の私だったら悩んでなかったことだし、
なんだかなぁ…」

「 ……？」

「あ、ごめん、分からなかったよね。
少し悩んでるの」

「なやみ？」

「うん……。
私にはずっと夢があったんだけど、
それが叶わなくなってしまったの。

だから、別の夢を探さなきゃいけないんだけど
なかなか見つからなくて… 」

オッパには私がダンスをやっていたことを
言っていない。

あんなすごいダンサーに
言えるはずもなかったし、
言ったところで同情されるのも
憐れまれるのも嫌だった。

……オッパがそういう人だとは
思っていないんだけどね。

オッパは「あー… 」と少し間を開けてから
「パソコンでメッセージやりとりできる？」と
英語で聞いてきた。

私は言われた通りに
パソコンでメッセージアプリを開く。

すると、すぐにメッセージが
送られてきた。

全文韓国語のそれを
急いで翻訳機能にかける。

" 俺もAと同じ年の時にすごく悩んだよ。

中学生の時からずっと練習生をしてるのに
なかなかデビューできなくて
でも周りはどんどんデビューしていって…。

「俺はこの世界に向いてないんじゃないか」
「やめた方がいいんじゃないか」って
すごく悩んだ "

…オッパが？

あんなにすごいダンサーなのに？

" でも、先にデビューした親友が
俺に言ってくれたんだ。

「お前がお前を信じなくて、
誰がお前を信じられるんだよ。
自分しかいないだろ。
自分を信じてやれよ」って "

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