それはまるで蝶のようだった (ページ17)

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未来の糧ページ17

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マカオから日本に帰ってきて１週間。

芽映からは根掘り葉掘り聞かれ
お土産で誤魔化そうかとと思っていたけれど
そういう訳にもいかず
洗いざらい白状した。

「付き合っちゃえばよかったのに！」と
さんざん言われたけれど、
「友達ならまだチャンスあるよね！」と
最後はなぜか興奮していた。

カイさんとは連絡を取っている。

カイさんは私のことを
「A」と呼び捨てするようになったし、

私はカイさんを「オッパ」と
呼ぶようになった。

韓国では「オッパ」と呼ばれるのが
男性のロマンらしい(？)

カトクは多くて１日に１往復程度だけど、
長く時間が取れる時は
英語とオッパのたどたどしい日本語と
芽映から教わったちょっとの韓国語で
電話している。

オッパとの会話は楽しい。

使える言葉は限られているけれど
それでも伝わった時の喜びや
たまに送られてくる異国の写真に
癒される。

でも、日本に帰ってきてから
私は人生の分岐点に立たされた。

「はぁ…… 」

「またため息ついてるよ？」

そりゃため息もつきたくなる。

その元凶は目の前にある
進路面談の通知である。

自分の未来のことなんて
深く考えたことかなかった。

私にはずっとダンスがあったし、
これから先もダンスしかないと思ってたから。

この先、何を糧にして生きていくのかを
１８歳で決めなきゃいけないなんて
そんなの酷すぎる。

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