それはまるで蝶のようだった (ページ13)

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初めてじゃない初めましてページ13

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さっきまでのステージ衣装とは違って
白いワイシャツにジーンズだけという
かなりシンプルなファッションだし、
メイクも落としているのに
オーラはステージのままだった。

ただ、ステージの上と違うのは
少し赤い顔をしていることだ。

私たちは無言でお互いを見つめていたけれど
(というか固まっていただけ)
後ろからバタバタとやって来た
ヨーダさん？(失礼)が彼に何か言ったことで
彼はハッとした。

「はじめまして、KAIです」

「あ、はじめまして、立花Aです。
今日はお招きいただきありがとうございます」

彼のたどたどしい日本語に
定型文のような挨拶返しをする。

思ったより低い声にびっくりした。

でも、お辞儀をして顔を上げると
彼は困ったような顔をしていた。

どうやら日本語が通じていなかったらしい。

野口さんが通訳をすると
彼はブンブンと首を横に振って
笑顔を見せてくれた。

すると、ヨーダさんが思いついたように
スマホを取り出して何やら打ち込んでいる。

それから私に見せてくれた。

"KAIが君を招待したんだよ"

カイさんが……私を……？

その画面が見えたのか
カイさんは『ヤー！ヒョン！』と
ヨーダさんを叩いている。

ヨーダさんを見上げると、
にっこりとイケメンスマイルで
「ぼくはチャニョルです。よろしく」
と、自己紹介をしてくれた。

その後、すぐにカイさんに
引き離されたのだけれど。

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