..446.. ページ6
・横山
それから2週間。
時々我を見失うようなことがあったと言えど、少しずつ現在を受け入れ、安定してきたすばる。
スタッフさんを含めた話し合いに、同席させることにしたんやけど。
本人も行きたいって意思を見せとったし、やっぱり全員で話し合えるに越したことはないしな。
だいぶ外出にも慣れてきとったし、いろんな人に挨拶も済ませとった。
でも初めての7人とスタッフさん達での会議の時。
メンバー以外の人の多さのせいか、すばるは怯えた目で身体を小さく縮ませて、一言も言葉を発することができんくて。
おまけに見る見る顔色が悪くなって、見兼ねたヒナがマルに合図して、席を外させた。
“怖いわけ、ないねんけどな”
会議を終え、別室でマルに寄り添われて休んどったすばるの元へ向かうと、弱々しくそう言った。
ちょっと貧血気味、ってマルが小さい声で伝えてくる。
“でもな、あの頃とは違うから・・・”
大勢の人が関わるLIVEというものを改めて自覚し、自身の必要性への疑問や無力さを強く感じてしまったようで。
各種のプロフェッショナルが集まって作り上げられるもの。
それをよく分かっとるすばるは、今まで自分を表現してきた歌という方法を失ったことに、改めて絶望を感じたんやろう。
おれここにいるんかな
小さく口の形で呟いたすばるに、亮が飛びついた。
「嫌や、すばるくんがおらな嫌や!すばるくんがおらな歌われへん!」
亮の顔を少し見て、寂しく笑ったすばる。
“亮は、歌う。じゃ、俺は何するん?”
“俺はギタリストやないし、作曲者でもない。これからも、そうはならん”
真っ直ぐな目は、すばるの決意すら表しとる気がして。
自分は自分のまま生きて行きたいと、そんな気持ちが感じられる姿。
でも、その目には涙の膜が張っとった。
“じゃあ、どうやってここにおればいい?”
曲を作ったり、ステージ構成をしたりしているうちに、すばるの中に生まれてしまった無力感。
俺らがいくら必要性を説いても、自身の解釈、考え方によってしか、消すことなんてできない。
無力さを感じるすばるの前で、俺はあまりにも無力やった。
272人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朝燈(プロフ) - YOUMIさん» →方法だと私は思っています。長々と続いたこのお話も、いよいよ最終章です。どうか最後までお付き合いください!いつも本当にありがとうございます!! (2015年4月14日 19時) (レス) id: bfcd726f25 (このIDを非表示/違反報告)
朝燈(プロフ) - YOUMIさん» ありがとうございます!もう消去してしまいましたが、あのニュースの後迷う思いをこちらで色々書かせていただきました。たくさんの励ましをもらったことに、感謝の思いは尽きません。読んでくれる方がいる限り、完結させる責任があると、それが感謝を表す一番の→ (2015年4月14日 19時) (レス) id: bfcd726f25 (このIDを非表示/違反報告)
結莉(プロフ) - part12、お疲れ様でした´ω`*ライブに立つのとてもドキドキですね!最後の最後まで、関ジャニ∞の絆が見られることを期待してます(*`・ω・´) (2015年4月13日 23時) (レス) id: 8090059a18 (このIDを非表示/違反報告)
YOUMI(プロフ) - 真剣に向き合っているからこそ、悩むこともあると思います。ですが今まで積み上げてきたものを信じてこれからもがんばって下さい☆ゆっくりと楽しみにお話を待っています☆ (2015年4月13日 23時) (レス) id: 1861e55e7e (このIDを非表示/違反報告)
YOUMI(プロフ) - ニュースをみて驚き、朝燈さんと読者さんとのコメントのやり取りをよんで心が震えました。朝燈さんが作品と真摯に向き合って大切につくられるお話で私を含めこれだけたくさんの読者さんに愛されPOWERを与えてくれるお話はなかなかありません!最高で最強なお話です! (2015年4月13日 23時) (レス) id: 1861e55e7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朝燈 | 作成日時:2015年3月14日 23時