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【39】 ページ39
「‥二宮って、冷たい男だね。」
「いや優衣。それは違うから。」
「だってそうでしょ？こんな可愛い彼女放っておく？
私だったら毎日一緒に居たいけど。」
「アンタのAへの愛、重すぎでしょ。」
優衣の言いたい放題の言葉を、京香ちゃんがバッサリぶった切る。
「おい、葉山。お前堂々と人の悪口言うんじゃねぇよ。」
「うげ…、二宮だ。」
「とことん失礼だな、お前。」
大好きな人の声が鼓膜を撫でて、
大好きな人の香りが鼻腔を擽った。
「久しぶり。」
「ひ、久しぶり。」
会わない間に、何だかまた格好良くなった気がする。
「あ、A。」
「うん？」
名前を呼ばれるだけで、きゅんとする。
そんなこと言ったら、貴方はどう思うのだろうか。
きっと、唇の端をｷｭｯと上げて笑うんだろうな。
「ちょっとノート見せてほしいのあんだけど、いい？」
「うん、分かった。」
小首を傾げるその仕草が可愛くて、実は好きだったりする。
「あ、ここに居た。」
彼の綺麗な横顔に見惚れていると、
可愛い声が、鼓膜を揺らした。
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作者名：和音
| 作成日時：2019年5月4日 17時
