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【33】 ページ33
*side優衣*
夢中で遊んでいたら、
気が付けば辺りは淡いオレンジの光に染まっていた。
「京香―、この後どうすんの？」
「あー、どうしよっか。」
「私、アレやりたい。」
「アレ？」
「夏と言えばアレでしょ？」
そう彼女に言えば、
あぁ、と声を零して納得した彼女は。
「じゃあ、買い出し行かなきゃ。」
「そうだね。どうする？」
「ここは公平にじゃんけんでしょ。」
京香のその言葉で、
男女別れてそれぞれでじゃんけんして、
買い出しに行く２人が決まる。
「じゃあ、よろしく。」
「いってらっしゃい。」
「はーい。」
女子の方で負けたのは、私で。
「よろしくっす、櫻井さん！」
「いってらー。」
「はいはい。」
男子の方で負けたのは、どうやら櫻井先輩みたいだ。
「じゃあ、行こうか。」
「あ、はい。」
‥何か、不思議な感じだな。
買い物に行くお店は、櫻井先輩がスマホで調べてくれた。
夏と言えば、アレだ。
「花火なんて、久しぶりだな。」
「そうなんですか？」
「うん、ここ何年もやってないよ。」
「もったいない！夏の風物詩なのに！」
「はは、相当好きなんだね。」
くしゃっと笑うその目尻が可愛くて、
これに女子たちは恋しちゃうんだろうなって、何となくそう思った。
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作者名：和音
| 作成日時：2019年5月4日 17時
