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【30】 ページ30
*side和也*
葉山にｸﾞｲｸﾞｲと引っ張られて連れてこられたA。
やっと来たのかと、特に何も考えもしないで彼女の姿を探した。
それが間違いだった。
「ちょっと二宮、何で無言なのよ。」
「まぁまぁ。可愛すぎて言葉出てこないのよ。」
「あーそういうこと？まぁ無理もないよね。」
「愛しの彼女のこんな姿見たら、言葉も出なくなるって。」
俺が黙っているからって、葉山と西条は言いたい放題だ。
「超可愛い！ね、翔さんもそう思いません？！」
「え？あ、あぁ、うん。」
「めっちゃ肌白いし…、やべぇ。」
「弓弦、その辺にしとけ。」
「え？いって！！」
それにこの変態野郎も、調子に乗りやがって。
「おい、二宮！いつもいつも蹴るのやめろや！」
「お前が人の
「し、してねぇよ。」
「あぁ？」
「はい、すみません、ごめんなさい。」
佐田とそんな言い合いをしていると、
「和也くん。」と、彼女が俺を呼んだ。
その声に振り向けば。
「あの、どうでしょうか……？」
俯きながら自信なさそうに、そう問う彼女。
その仕草の破壊力、この人は多分自覚しちゃいないから。
「‥ちょっとこっち。」
「へ？」
鼻の下伸ばした男共に襲われないように、ちゃんと教えとこう。
・
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作者名：和音
| 作成日時：2019年5月4日 17時
