それを愛と呼ぶのなら《01》【N】 (ページ17)

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触れるだけだった可愛いキスは、

色気が孕む大人なキスに姿を変える。

彼に触れられている部分が、

火傷しそうなくらいに熱を持つ。

与えられる深いキスで息が苦しくて、

どうやって息をしたらいいのか考え始めた時。

「っ、はぁ…っ、」

「A…。」

鼻先が触れるか触れないかの距離で、

掠れたその声で私の名前を彼は呼んだ。

色気が滲んでいるその瞳で見つめられる。

上手に呼吸が出来なくて。

また“好き”が溢れる。

「‥すき。」

「‥、…何つーこと言うんだよ。」

無意識に零れた愛の言葉に、

彼は少し困ったようにそう呟いた。

「優しくできなくなるだろ。」

「え……？」

「‥Aのせいだから。」

いつもの優しい表情から、

彼が男の顔を覗かせてそう言った。

見慣れない大人な表情に、息を呑むとｺｸﾘと喉が鳴った。

ふっと余裕そうに口角を上げて笑った彼は、

優しく且つ少し強引に私の唇を塞いで、

頭に衝撃が来ないように私の頭に手を添えて、ゆっくり押し倒した。

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