それはあなたの最期の言葉でした。２【Satoshi.O】 (ページ6)

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「潤。今ジジィが呼んでたよ。後で職員室来いってさ」

「うげっ」

「何、なんかしたの？(笑)」

「いや、心当たりねぇけど……」

休みが明けた月曜日、5時間目が終わり次の授業の準備をしていた潤に、用をたして戻って来た風間俊介からそんなことを伝えられる。

ジジィ―担任に呼ばれるのは、テストの成績が悪かったとか何か仕出かしたときくらい。

だが潤には思い当たるような節がない。

今日最後の授業も、つまらなかったのかそれが気になっていたのか、きっと後者であろうが、上の空でいたら、あっという間に放課後になっていた。

掃除を終え職員室に入ってまず最初に鼻を突き抜けたのは、校舎内では職員室でしか味わえないコーヒーの香り。

季節が変わりすっかり、暖房が付けられていても寒くなってしまった廊下で冷やされた身体も、その場の温かい空気に包まれて心地が良い。

奥の方を見ると、いつもの怖い顔とは裏腹に穏やかな表情の担任がズルズルとコーヒーを啜りながら潤を待っていた。

「急に呼び出して悪いな」

「いえ。あの、俺に何か？」

「まぁまぁ、そんなに構えるな。説教じゃねぇんだから。まずここに座れ」

促されるままに隣りの先生の椅子に座る。

ギー、という嫌な音を立てたそれは、少し心地が悪い。