16話.定時 ページ18
.(no side)
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pm.6:00
日が傾き、薄暗くなり始める時間帯。
このホークス事務所では定時が18時に設定されており、急ぎの書類や緊急の任務がない場合は、
その日夜番を任されている所員以外はこの時間で帰宅できることになっている。
所長であるホークスは再び外へと飛び立ち、まだ帰ってきてはいない。
しかし、特段問題が起こったという連絡もない。
その時間で上がれる者はすでに退所準備を始めていた。
「クロゥー？ もう定時だよー」
帰り支度を済ませた乃咲がまだ書類を抱えているクロゥに声を掛ける。
「まだ居てもいいですか。あと少しで一区切り着くので」
「……いいけど、入所初日から飛ばし過ぎじゃない？ 無理は禁物だよ」
「いえ、本当にもう少しなので」
何やら押し問答の予感。それを察した速看がクロゥに対する助け舟を出した。
「私が今日の当直だし、心配しないでいいよ。無茶したら止めるから」
「そうですかぁ……？」
実は仲良く一緒に帰ろうと目論んでいた乃咲はしゅん…と肩を落とす。
しばらく全身から「(ざんねんだ……)」という雰囲気を滲ませていたが、「お疲れ様です」と言い残して事務所を後にした。
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「まだ"もう少し"は終わらないの？」
「……あとちょっとです」
「本心は？」
「ホークスに直接渡したい書類があるので…」
「彼が戻ったら帰りなね」
「……はい」
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作者名：上白糖 | 作成日時：2019年8月23日 14時
