13話.仕事できる新人 ページ15
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pm.2:00
「戻りましたー」
「お疲れ様で〜す、………うぉっ」
昼下がりと言っていい時間帯。
装備品の調整や補給のため外回りから一度事務所へ戻ってきたホークスと午後出勤のサイドキック二名がオフィスに姿を見せた。
が、その三者の足はオフィス内に設置されたデスク周りより幾分離れた位置で停止する。そのうちの一人は、驚きからかある種の恐怖からか、短い声を漏らす。
乃咲「あぁ、皆さん。おつかれさまでーす」
速看「お疲れさまです」
かたかたかたかたかたかたかたかたかたかたかたかたかたかたかた_____________________……………
そんな彼らに気づいたらしい事務員達が振り向き、いつも通りの労りの言葉を返してくる。
何とも言えない勢いでPCキーボードへのタップ音が絶え間なく鳴り続けている。いや、鳴らされ続けている。
「なに……こわい……」
「なんでこんな鬼気迫る感じで仕事してるの」
「なんでかなぁ。設定した期日までに報告書の下地報告書すら提出しない人がいるからかなぁ」
「ゔっっ」
「その節はホントにスミマセンでした…」
疑問を投げかけたサイドキックの一人に乃咲は影のある笑顔で返答する。
弱々しく頭を下げるサイドキックを尻目に区切りがついたのか、ﾂｯﾀｰﾝ! と勢いよくエンターキーが弾かれた。
「っはぁーー！これで終わり！とりあえず！」
「ホークス、この書類確認お願いします。先方へ配送する期限が近いので、なるべく早く目を通してサインしてください」
「え。ぁあ、はい」
呆気にとられその場で立ち尽くしていたホークスは自分が呼び掛けられたことに気づき咄嗟に生返事をしたが、事務員の速看からドサッと効果音の付く結構な量の紙の束を渡された若干顔色を変えた。
「それよりそれより、聞いてくださいよ！」
そんな上司の心知らず、乃咲は興奮冷めない様子で言葉を続ける。
「凄いんですよあの人！ もうﾊﾞﾊﾞｯｰｰｯ!って！ 文字入力のスピードが桁違いだし、いつくかの書類並行して処理できちゃうし！」
その言葉にホークスはほんの少し書類を抱える手に力を込めた。
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作者名：上白糖 | 作成日時：2019年8月23日 14時
