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9話.丸投げ ページ11
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「じゃあ、クロゥさんこっち来てください」
「はい」
新しく加わった
「来てもらって早々悪いんですが、今、ちょっとバタついてましてね。すみませんが、しばらくは基本書類仕事をお願いすることになります」
「承知しました」
妙な仮面を付けているから表情は分からない。付けてなくてもきっと何考えてるか俺には分からんけど。
声にも抑揚がなく、この待遇に不満があるのかすら読めないのは困った。
事務員二名のデスクに近づくと、彼女らも取り掛かり始めていた仕事を中断し、こちらに向き直ってくれた。
「仕事の指示と、分からないことがあればこの二人に聞いてください」
「よろしくねー」
「よろしく」
「よろしくお願いします」
ペコリと礼儀良く折り曲げられた腰が元の位置に戻るのを見届けて、自分も自分の仕事をするために備品の確認をする。
ヘッドフォンに取り付けられたそれは特に問題なく良好に作動している。
「じゃ、俺も外回り行くんで。
いつも通り何かあればインカムで伝えてください」
「はーい、いってらっしゃーい」
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作者名：上白糖 | 作成日時：2019年8月23日 14時
