検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:7,269 hit

◆第5話 辛すぎる始まり◆ ページ10

 
 
「エルフィお姉様…」

私は取り残された部屋でぽつりと
呟いた。
双子のお姉様の所に行けば大丈夫、
わからないことはこの部屋の本、
明日にはあの人が来る。

「何で私のために…、
そんなにしてくれるの…?」

私はお姉様が何故私を助けようと
しているのか、
一体何から助けようとしているのか
全くわからない。

なぜ?なぜなの?
手がかりも何もない。
私はどうすればいいの?

誰か…、誰かに、聞く?

「鏡…!」

俺は君が鏡、水面何かのウツル所に
呼びかけてくれれば出てこれるよ

あの人の言葉を思い出した。
私はお姉様の大きな姿見の前に
立った。

「あのっ、居ますか…!?」

「もちろんだよ末っ子ちゃん」

ピチャンと鏡が波打った。
そしてその人は姿を現した。

「あ、あ、エルフィお姉様がっ!
消えるって言ってて…それで…!」

「あぁ、やっぱり…うん、仕方ないね
人には運命…定めがある、それに
逆らってはいけないんだよ」

「…でも…私お姉様が大好きなのに…」

やはり、お姉様は死んでしまう…。
私はそう悟った。

「末っ子ちゃん、死は人にとって
失ってはいけない大切な悲しみで
苦しみなんだよ、
死が無くなれば、それはもう
人とは呼べないし、生きているとも
いえないんだ」

悲しそうに眉をさげて、
その人は言った。

「大丈夫、俺ももうすぐそっちに
行くからさ、もう少しだけ頑張って?
そしたらその時、いっぱい
泣かせてあげるから…ね?
まだ涙を流しちゃダメだ…」

「うん…、ありがとう…」

「あ、そう言えば俺の名前、言って
ないね」

ころりと明るい声で思い出した
というようにその人は話す。

「俺はゆめくいのバク、
バクって呼んでくれればいいよ!
それじゃあまたね、末っ子ちゃん」

ピチャン、とまた鏡は波打ち、
静まる頃には涙を流さないように
耐える、私の歪んだ顔が映っていた。

私はゴシゴシと袖で目を
こすった。

「お姉様が居なくても…
頑張らなきゃ…!」

そう呟き、私は双子のお姉様の
部屋に急ぎ足で向かった。

◇またまた感謝◇→←◇感謝◇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
設定タグ:ホラー , オリジナル , 小説   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

エンペラーペンペン(プロフ) - ルピナスさん» ぜひぜひ!! (2015年12月1日 18時) (レス) id: 8c10b4530f (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス(プロフ) - エンペラーペンペンさん» ありがとうございます!コメント励みになりました(*´∀`)よければ新作の方もよろしくお願いします!! (2015年12月1日 0時) (レス) id: 35fc5792f6 (このIDを非表示/違反報告)
エンペラーペンペン(プロフ) - 完結おめでとうございますッッ!! (2015年11月30日 18時) (レス) id: 8c10b4530f (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス(プロフ) - エンペラーペンペンさん» ありがとうございます(*´ー`*)更新トロくて申し訳ないですorz (2015年10月17日 19時) (レス) id: 35fc5792f6 (このIDを非表示/違反報告)
エンペラーペンペン(プロフ) - ヤバヤバ面白すぎデス(*´・ω・`)b (2015年10月17日 17時) (レス) id: 8c10b4530f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルピナス | 作成日時:2015年9月12日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。