【オリジナル】アイジョウ～からくり屋敷と夢食いバク～【ホラー】 (ページ21)

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◆第１５話　真実を◆　ページ21

　
　
……エルフィお姉様は、もう居な
そうよ、もうお姉様は……。

確かにお姉様は自分で消えると伝えた。
なのに、何故そこにいるの？

答えはとても簡単。
だって、これは私の………。

｢私は、もう起きなきゃ……!!｣

声が震える。現実の恐怖はよくわかってるから。
でも、起きなければならない。

この“ユメ”の中で沢山学んだから。
人の暖かさを沢山知ったから。
もう、大丈夫……。

｢もう、ユメの中には居られない…!｣

カシャンと、脆くもこの空間は砕けた。
後に残ったのは私とバクだけだった。

｢バク……｣

｢何だい、アンジュ｣

｢私、あなたにずっと会いたかったの……、
約束したから｣

｢……そうだね、さぁ、もう起きないとね
話の続きは、現実で……｣

私はゆっくりと目を閉じた。

目を開けたときに広がるのは、寂れて
もう誰も居ない教会だった。

沢山並んだ長椅子も、誰も座らないし
神父様ももう居ない。
シスターもみんなみんな。

村のひとはもう居ない。

｢バク…、バク……？｣

頼れる唯一の存在の名を呼ぶ。
そう、あれは眠る少し前の事だった。

神父様が亡くなる直前に教えてくれた
魔法の言葉を唱えたんだ。
そこからは多分ずっと夢の中…。

｢ここにいるよ、アンジュ｣

｢……バク!｣

私は後ろに立っていたバクに抱きつきました。
そして、今までずっと迷惑をかけていた彼に
感謝の気持ちを伝えました。

私は故郷のこの村を離れる事にしました。
バクがまた、別の人を助けに行くから。

私は彼に着いていく事にしたのです。
私を救ってくれた彼に、少しずつ恩を
返していこうと決めました。

この眠り病はきっと、“ユメの中のお父様”が
“天使を創ろう”として“材料”の人間を
集めていたのだと思うとバクは話しました。

人間には寿命があるから、体が朽ちても
ずっと夢の中でなら生きていられるから。

材料と天使を生み出す自分を永遠のモノとして
実験を続けてきたのだと思います。

私はそんな哀しい事に巻き込まれた沢山の
“お姉様”と、そんな実験をやめられなかった
“お父様”の事を永遠に忘れないよう、
毎日神様に祈ります。

沢山の罪の犠牲者に、安らかな眠りと
晴れやかな復活の時が訪れるように。

trueend 未来に幸福を
　
　
　
　
　
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