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揺れる出席カードに釣られるようにゆんぎの隣の席に腰を下ろすと、
『お前が寝坊かよ』
と小声で話しかけてきたその顔は、それはもう楽しそうな笑顔だった。
「うるさいな、もう」
『これレジュメ』
「...神様」
『昼飯奢りな』
「やだ」
『....』
「...わかった、奢るから」
『アメリカーノ...』
「...それも奢るから」
『よし』
「はあ...」
明らかに不当な対価で何とか手にしたレジュメを目で追いながらメモをとっていると、授業に飽きたのか隣のゆんぎは机に突っ伏してスマホをいじり始めた。何やらせっせと指を動かしている所を見るに、ゲームでもしてるんだろう。
暫くすると今度は自分のスマホが振動して、チラッと視線を動かすと視界の端に月の絵文字が見えた。驚いて横を向けばゆんぎは机に伏せたまま顔だけをこちらに向けていて、当然の如くバチッと目が合ってしまった。
『きょう、きて』
私の視線が逃げないうちに、ゆんぎはそう言った。
いや、正確には音は出さずに口を動かしただけだったけれど、確かにそう言ったのだ。思えば、こうして直接言われたのは初めてだった。いつもは突然送られてくる絵文字ひとつだけだったから、いざ向かい合って言われるとこんなにむず痒いものなのかと実感する。
何となく口を動かすのは躊躇われて、レジュメの端に"いいよ"と小さく書くと、ゆんぎはそれを見て少し口元を緩めてから"キンパくいたい"とその下に書き足した。
脈絡の無いその言葉に疑問符が浮かんで直ぐ、そういえば次会う時晩ご飯を作る約束をしたんだと思い出して"わかった"と私も書き足した。
すると今度は"たのしみーーーー"とレジュメに印刷された文字にかかりそうな程無駄に長い棒を書いてきたから、そんなゆんぎの腕を叩いたことは言うまでもない。
ポーカーフェイスな癖して時々こうして下らない悪戯を突拍子もなくしかけてくるこの人は、未だに謎だらけだ。
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秋良(プロフ) - お返事いただき感謝です。250字では表せない位素敵な作品で他の作品も凄く大好きです＾＾季節の変わり目ですのでお身体ご自愛くださいね。 (2021年3月6日 14時) (
レス) id: 182bc41aa4 (このIDを非表示/違反報告)
天(プロフ) - 秋良さん» 秋良さん、こちらこそコメントありがとうございます！気長にお待ちいただけたら嬉しいです(*´`*) (2021年3月6日 12時) (レス) id: 6f2734bf2f (このIDを非表示/違反報告)
秋良(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。次回作も楽しみにしてます。 (2021年3月6日 1時) (レス) id: 182bc41aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天
| 作者ホームページ：https://twitter.com/_sora_way
作成日時：2021年2月23日 21時
