占いツクール、あの子のために。【空飛ぶノートとプッチンプリン】 (ページ2)

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俺と占いツクールページ2

「占いツクールねぇ」

そういえば最近忙しくて開いてなかった。
締め切りのことは一旦忘れて開いてみよう。

俺は、さっそく占いツクールを開いて「ヒュウガ」と検索をする。

「ヒュウガ」というのは昔、俺が書いた小説の主人公の名前。
それほど良い小説ではなかったが、「ヒュウガ」という名前は気に入っているので、ユーザー名に使ったのだ。
本当は本名にしようと思っていたのだが、ネットに本名を載せるのは良くないかなと思い、やめておいた。

俺は検索欄に出てきた、たった一件の小説を開いた。
これは俺が書いた小説。
男女の三角関係を描いた、少し甘酸っぱい恋愛小説だ。

俺が少しいなかった間に、hit数が驚くほど伸びている。
コメントも数件来ていた。

「小説とても面白かったです！」
「更新頑張ってください！」

という感じのコメントが並んでいる中、俺は一つ気になるコメントを見つけた。

「ねこもちのいえ
とても面白かったです！よければ、小説の書き方を教えていただけませんか？」

「小説の書き方を教えて」というコメントは、過去にも数件貰っていた。

勿論、俺は小説を教えた。
コメント主にチャットアプリを教えて貰って、その子の小説を推敲し、感想を伝えるという教え方。
しかし、成功はしなかった。

正直、俺は教えるのが苦手だし、辛口だ。
自分の書いた小説が、どんどん否定されていくのは、とても辛いことだろう。

そして、なによりも、小説は沢山書かないと結果が出ないということ。
俺に教えて欲しかった人は、俺に教えて貰っても、すぐに結果が出なかったため、心が折れてしまったのかもしれない。

俺が教えていった子は、だんだんと俺に連絡をくれなくなった。

この子もそうなるのだろうか。
いや、きっとそうなるのだろう。

でも、断るのもなんだかな…

「ヒュウガ
ねこもちのいえ様コメントありがとうございます！僕で良ければ全然教えますよ！」

教えてみるだけ教えてみよう。
まぁ、またどうせ途中でやめるのだろうけど。

ふと時計を見ると、もう2時を過ぎていた。
しまった。そろそろ小説を書かなければ。

そうして、俺はまた小説を書き始めた。