一瞬見えた君の顔も笑ってた。・Htrn ページ10
――ここはとある海、とある陸地のとある国。
近年急に名を轟かせている国である。
国名は『我々国』
戦争で土地を奪い、しかし国民に支持される国のトップたちが仕切るこの国で…
「っふうー…」
そのトップの一人は農作業に汗を流していた――…
「っておい、書類仕事してよひとらん！！」
「え？」
私の方にくるりと首を回した彼は、それはまぁいい汗をかいていた。
快晴の今日。太陽の光で汗が反射し、きらきら光っている。
「ああ、Aかぁ。見てこれ、すっごい大きくない？？」
私の存在さえ気づいていなかったのかこいつ。
にこにこと笑って立派なじゃかいもを見せつける笑顔に押されつつ、手に持ってる書類を見て心を落ち着かせた。
「大きいけどすごいけど、こっちの仕事もちゃんとやってよ！トンちが今日は忙しいって隈作りながら言ってたでしょ！？」
「ええ…だって畑が」
「メイドに任せなさい！」
野菜たちを踏まないように畑に入り、ひとらんの元へ。
その場で実った野菜をかじるひとらんの腕を掴んで引っ張る。
「ほら、書類溜まってる」
「ん、確かにトントン怒らせたら怖いもんなぁ」
んぐんぐとマスクの下で口を動かす。
いちいちそのばってん、戻さなくても別にいいのに。
しゃあないなあ、と野菜の入ったかごを持ち上げて、私の手を握った。
「っ、ちょっと」
「いいじゃん、誰も見てないよ」
指と指を絡めて、にこりと笑う瞳。
所謂恋人つなぎだ。
顔に熱が集まって、思わず俯いた。
「みんなの前じゃ全然こんなことできないしたまにはいいでしょ？」
「…わかったよ」
私も彼の手をそっと握り返す。
久しぶりのひとらんの手の感触。
無意識に顔がにやける。
温かくて、少し手汗で湿ってる。そんな彼の手がすきだ。
…口が裂けてもこんな恥ずかしいこと言えないけど。
「…A」
「ん？」
名前を呼ばれて上を向く。
瞬間、目の前一杯にひとらんの顔が映った。
唇に、柔らかい感覚。
キスされた、
柔らかなものが離れていったときに、ようやくわかった。
余計に顔が真っ赤になる。
「なな、な」
口をパクパクさせていれば、ひとらんも少しだけ頬を染めた。
「手、繋ぐだけでそんなに嬉しそうな顔されたらたまらんわ」
こん、と額同士を合わせて、彼はため息をついた。
そのあと赤いバツで口を隠す。
「いこっか」
手を握りなおして前を向く。
握りしめた書類はぐしゃぐしゃだ。
まだ耳が真っ赤な彼の後ろ姿に、私はまた笑ったのだ。
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TACMI(プロフ) - 涼凪さん» ありがとうございます〜！年末くらいいちゃいちゃしろ！と思いを込めて作ってみました…応援嬉しいです！これからもよろしくお願いします。 (2018年1月24日 12時) (
レス) id: cc32a4eb10 (このIDを非表示/違反報告)
涼凪(プロフ) - とっても素敵なお話でどんどん惹き込まれてしまいました...！トン氏の俺も思っとるよ、の話でポロポロと涙が…陰ながら応援させてください。 (2018年1月21日 21時) (レス) id: 98f5f4de7e (このIDを非表示/違反報告)
TACMI(プロフ) - 木野さん» ああぁあぁ…ありがとうございます…私も好きです…コネシマ推しなので頑張りました…ヘタレシマありがとうございます…リクエスト了解しました！頑張りますので少々お待ちください！ (2018年1月19日 18時) (レス) id: cc32a4eb10 (このIDを非表示/違反報告)
木野(プロフ) - ああぁあぁ…（ナマズのものまね）好きです…。すみませんいきなり、最初のコネシマさんの話がヘタレっぽくて好きです…。リクエストいいですか？ゾムさんで文化祭でメイド喫茶する夢主ちゃんが学パロで見たいです！（何言ってるんだろう）これからも頑張ってください！ (2018年1月18日 12時) (レス) id: d1a6c35f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：80歳 | 作成日時：2017年12月31日 15時
