Sweet × love…!

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帰り道に夏美が
私に好きな人ができたら相談に乗るなんて
言ってくれたけど

自分のこの気持ちがハッキリしなくて
どうしていいのかわからない。



久しぶりにたいちゃんに会って
昔の気持ちのままの"好き"でいるのか

藤ヶ谷太輔という男の子を見て
ファンの一人として気になってるのか。

それとも…。



気温も少しずつ上がってきて



今年もまた、文化祭の季節がやって来た。



うちのクラスは
たまたま美術部の子が多かったから
フォトスポット屋にすることになった。

テーマパークのお城とか外国の風景とかを
ダンボールや紙で作って、
文化祭の思い出作りができる場所にしよう、って。



衣装の貸し出しもできるようにするから
そっちも作らないといけないし

女子は裁縫系の作業、男子は大道具系で
準備がかなり大変そうだけど

すごく楽しみになってきた。



席替えで廊下側の席になってから
たまに通りかかるたいちゃんが
声をかけてくれるようになって。

前の席も、今年同じクラスになった
サッカー部の木下くんだし
話しかけやすいのかな？



「お、面白そうなのやるじゃん！」



廊下の窓から身を乗り出して
黒板を見ている。



「藤ヶ谷くんのクラスは？」


「俺んとこはお化け屋敷」



お化け屋敷、か…
正直そういうの苦手なんだけど

たいちゃんはお化け役やるのかな？
それならちょっと見てみたいかも。



「なぁ木下、今日部活オフになったの？」


「ん、なんかそうみたい。
　久しぶりだよな、急なオフ」


「じゃあどっか寄らない？」


「いいねー」



そんな会話を聞きながら
思わずたいちゃんの横顔に見入っていると



「Aもくる？」



不意にたいちゃんがこっちを見るから
目が合ってしまって、ドキッとする。



「えっ、でも」


「夏美も誘えばいいじゃん」



木下くんも、遠くで聞いていた夏美まで
ノリよくオッケーするから

放課後に新作のシェイクを飲みに行くことになった。



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