15 ページ15
.
恥ずかしそうに笑うたいちゃんは
昔と全然変わってなくて。
そうこうしてるうちに
あっという間に学校へ帰ってきた。
「Tシャツ、どうしよう？」
「俺今日これでいいから。着ときなよ」
「いいの？…ありがとう」
それだけ言って
自分のクラスの方へと足を向けると
「あ、待って、俺のことも太「藤ヶ谷〜遅いって！」
でも、たいちゃんが言おうとした言葉は
学校から出てきた人たちの声で
かき消されてしまった。
…こないだの私の時と一緒。
「あれ、Tシャツどうした？」
たいちゃんのクラスの男の人は
私とたいちゃんを交互に見て
不思議そうな顔をしてるから
「まぁ、ちょっとね」
なんて、口角を上げて笑ってる。
後からやってきた女の子が
たいちゃんの背中をバシッと叩く。
「遅かったから働く時間、倍ね！」
「ちょっ、厳しくない？
ちゃんと買ってきたじゃーん」
「ダメだよー？藤ヶ谷くんすぐサボるもん」
「あはは、バレてたか」
楽しそうに笑ってるから
胸の奥がズキン、と痛む。
「じゃあね、藤ヶ谷くん」
精一杯の、強がり。
それだけ残して、
人混みをかき分けその場を去った。
「牛乳買ってきたよー」
相変わらず大盛況のカフェ。
忙しそうにしてるクラスへと戻ると
すぐに夏美に買ってきたものを渡した。
「A、Tシャツどうしたの？」
「水撒きの水かけられちゃって、
近くにいた人が…貸してくれた」
「青だったら確か2組だよね。
優しい人もいるんだね〜」
昼過ぎになると
私のTシャツはすっかり乾いていた。
でも、返しに行く暇も無くて
たいちゃんに近づく勇気も、出なくて。
文化祭1日目はそのまま終わってしまった。
きっと明日も着るだろうし、
洗って朝一番に返しに行かないと。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユッコ - またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 43の後半では名前が反映されずに別の名前になっているのですが...。 (2018年7月2日 2時) (
レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
ユッコ - また続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 42のここの台詞 「小春もくる？」これもまた名前が反映されずに別の名前になっているのですが...。 物語読んでいるたまに名前が反映されない時があるのですが...。 (2018年7月2日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
ユッコ - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 41のここの台詞 「小春も来てくれたんだ」 ここも18と同じく名前が反映されずに別の名前になっているのですが...。 (2018年7月2日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
ユッコ - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 18のここの台詞 あれ、木下くん小春のこと知ってるの？」 名前が反映されずに別の名前になっているのですが...。 (2018年7月2日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むた | 作成日時：2017年6月21日 0時
