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12【F side】 ページ12

F side-



文化祭まであと一週間、

廊下には当日使われるであろう
ダンボールで作った看板などが
たくさん立てかけられている。



今日は部活がオフだから
サッカー部のやつらと
マックに寄って帰ろうって言ってて。

みんなが集まってる校門に向かっていた。



廊下を曲がったところで
勢いよく飛び出てきた夏美と
ぶつかりそうになる。



「うわっ」


「あっごめんなさい!…って太輔か。」


「そんな急いでどうした?」


「今日中に提出しなきゃいけない課題
 完全にやるの忘れてたの!」


「あはは、夏美らしいじゃん。
 まぁ頑張ってね」



そのまますれ違うと

腕をがしっと掴まれた。



「ねぇ、玄関に友達待ってるんだけど
 先帰っててって言ってくれない?
 携帯忘れちゃったんだって」


「…クラスの子?」


「うん、Aって子。
 一緒にいるとこ見たことあるでしょ?」



…やっぱ、そうなんじゃん。

夏美に別れを告げて
俺は若干気持ちを高まらせながら
玄関へと足を向けた。



壁にもたれかかって
退屈そうにしてる姿を見つけて



「…Aちゃん」



俺が話しかけると
目を見開いて驚いた顔をする。



「久しぶりだね」


「……なんで、」


「夏美が先に帰ってて、だって」


「……私のこと、覚えてるの?」


「……忘れるはずないじゃん」



なんでそんな不安そうな顔してんの?



お互いが見つめ合ったまま
無言の空間が流れる。



「…たいちゃ「あ!!藤ヶ谷くん」



何か言おうとしたAちゃんは
俺に話しかけてきた女子たちの声で
完全にかき消されてしまった。



「今日はオフ?
 私たち寄り道するんだけど」


「ごめん、今日は先約あるんだ」


「そっか。また一緒に帰ろーね」


「うん、またね」



バイバイと手を振ると
女子たちはキャッキャと楽しそうに
玄関を出て行った。



「…何か言いかけなかった?」


「ううん、予定あるんだよね?
 早く行かないと……藤ヶ谷くん」



藤ヶ谷くん、
そう言われただけなのに

急に心の距離を置かれた気がして。



「じゃあ私も、帰るね」


「ちょっ……」



意気地なしな俺は
引き留めることができずに

その背中を見送ることしかできなかった。



.

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ユッコ - またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 43の後半では名前が反映されずに別の名前になっているのですが...。 (2018年7月2日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
ユッコ - また続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 42のここの台詞 「小春もくる?」これもまた名前が反映されずに別の名前になっているのですが...。 物語読んでいるたまに名前が反映されない時があるのですが...。 (2018年7月2日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
ユッコ - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 41のここの台詞 「小春も来てくれたんだ」 ここも18と同じく名前が反映されずに別の名前になっているのですが...。 (2018年7月2日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
ユッコ - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 18のここの台詞 あれ、木下くん小春のこと知ってるの?」 名前が反映されずに別の名前になっているのですが...。 (2018年7月2日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むた | 作成日時:2017年6月21日 0時

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