訳ありJK審神者になる 3

98話 ページ2

『…けど、けどね。

私には温かく迎えてくれる家族がいた』

私は笑った

上手く笑えていないかもしれないけど


山姥切国広様の目から光がなくなるのが分かった

『…怖くなってしまった私は逃げた

けど、怖いのは変わらなくって

訳わかんなくて


人が 視線が 私を見るたびに怖くなる


けど、家に帰ったら私はそこに居て存在してた』


下を向き私を見なくなった彼に手を伸ばす


『…家族は知ろうとしてくれた。


一緒に背負ってくれた。


それはきっと助けになる


きっと、私は信じてる









だから、私もあなたを知りたい』


ばっと彼が私を見た


その顔は今にも泣きそうで


この痛み この胸の奥の痛み


それはきっと”人に認められない””存在しない”時の痛みだ


苦しいよね


悲しいよね





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿一人は辛いよね


だから私が聞くから


私も一緒にあなたを背負うから



私の家族がやってくれたみたいに


私は彼に一生懸命笑いかける


おかしかったら笑っていいんだから

私は彼に笑う


彼もつられたのか私がおかしかったのか

ふっと笑った


そして、私の手を握った



そして、口を開く


山姥切「…俺は前任の元初期刀だ」

99話→←97話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す