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ページ28

『放課後、教室待ち合わせな』





すれ違いざまに奏斗からボソッと言われた言葉を思い出す





うん。合ってるよね





まだ、奏斗は来てなくて、教室で先生から頼まれた雑用をやっていた




それぞれ、数枚の紙を束ねて、ホチキスでパチンと留める






静かな教室に沢山の音が聴こえる





吹奏楽の題名も知らない、音楽


サッカー部の掛け声


テニス部の先生の怒鳴り声


私の不規則なホチキスの音








その音たちが不思議とあいまって聴こえて、綺麗な夕日をより一層深めていった








「まだかなぁ、奏斗……」




廊下を見ても奏斗の姿はない





「……はぁ……」




私はひとつため息をつくと、無心になって、雑用をこなしていった




















パタパタ



慌ただしい足音がした





ガラッ




勢いよく教室のドアを開ける音がした









「A!」





そして、奏斗が私を呼ぶ声







これだよ、私が求めてたのは





……そうだよね?








「よかった……まだ居た……」





奏斗は気の抜けたようにフラフラと私の前の椅子に腰かける






「なにそれ、私が約束破るとでも思ったの?」




「へ?あ!いや!違くて!」




私が冗談でそう返すと本気にしたようで慌てる奏斗




「クスッ 冗談だよ」




私は奏斗が好き


何度もそう思う



優しくて、ちょっとおっちょこちょいで、たまに抜けてて、バカ元気で、明るくて、とってもかっこいい






「よかった……やめろよな!冗談でも!」




怒ったように言うけど、少しも怖くなくて




「ごめん、ごめん」



私は軽く謝りながらも、手を動かす



パチン パチン








何故か、教室が静まり返った




いつもなら、会話がいくらでも続くってぐらい、ずっと話してられるのに





パチン パチン






どうしたんだろう……奏斗





そう思うけど、私は何故か奏斗を見るのが怖くて、作業をやめないで、手元を見ていた





パチン パチン






だけど、こんな雰囲気おかしくて







私は、沈黙を破った









「奏斗…?」






そう言って私は、奏斗の方を見た






奏斗は……


何故か、思い詰めたような表情をしていた

心臓が重たくて→←フラグ回収ご苦労



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設定タグ:名前変換オリジナル , 幼馴染 , 許嫁   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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- そらまめさん» あ、気付いてくれましたか!お役に立てて良かったです! (2021年5月15日 19時) (レス) id: b2dbb8d3f3 (このIDを非表示/違反報告)
- えっと...「優馬の心配 ページ16」って言う所から、「悠真」だったはずなのに、漢字が「優馬」になってます! (2021年5月15日 19時) (レス) id: b2dbb8d3f3 (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ(プロフ) - 藍さん» えっ!本当ですか!?すみません!えっと、どこか教えてくれませんか?自分でも探してみます……!言ってくれてありがとうございます! (2021年5月2日 20時) (レス) id: 0df261d861 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、ゆうまの漢字変わってませんか? (2021年5月2日 18時) (レス) id: b2dbb8d3f3 (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます!めちゃくちゃ励みになります! (2021年5月2日 12時) (レス) id: 0df261d861 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そらまめ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月5日 20時

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