幼なじみの彼と彼について 3

情けない ページ18

ー実弥ー

最近調子悪ぃ……

県トレ選考会のチーム分けも運悪く…
ポジション争いが激戦

自分のベストが出せなかった。
審査員にアピール出来ず
ゲームが終わってしまう。

俺の今目指すところはナショトレ。
まずは県トレに選ばれなければ
次の地域トレセンに進めない。
でも結果は、地区トレ止まり。
前期はいいところまで行ったから余計に
悔しい。

これが今の自分の実力か……

「クソ……」

気ばかり焦ってしまい、
イライラする。









「それでね？さゆりがさ………
ねぇ、実弥聞いてる？」

「あぁ。」
適当に返事をしていた
実は何も聞いてなかった
本当は、話を聞く余裕がないんだよ。

Aと話をして癒されるはずが
イライラする
それが伝わったのか……

「なんか……私ばかりペラペラ喋っちゃって
。実弥楽しくないね…？ごめんね？」

悲しそうな声で電話を切られた。
それから暫くAから連絡が来なかった。

もしかして嫌われたか……？
だが、自分から連絡をするほど
余裕がない。

どうやら俺は、色んな事に気を配れるほど
器用な男ではないな……

「はっ！だっせぇ……」



そんなある日
部活が終わり、片付けしていると
粂野が、にやにやしながら近づいてきた。

片手に紙袋をブラブラしながら俺に言う
「おーい！愛しのAちゃんからお前の好物の差し入れだぞ？」

は？

今日平日だろ？

あいつん家から2時間かかるんだぜ？

「んなわけねぇ…」

紙袋を渡されると、


小さなメモが目に入る。
ー実弥へ
練習終わったら食べてね？
Aー



「Aちゃん、お前の事心配してたぜ？
会っていかなくていいの？って聞いたんだけどよー。」

「あいつ、何処行った？」

「んー？駅じゃね？」

「これ、部屋に持ってってくれ！」
紙袋を粂野に渡して駅の方へ走る。
「お！追いかけるんか？頑張れよー！」
後ろから粂野の声が聞こえた。

走っていくと、信号待ちしているAを
見つけた。

「だめだなぁ……」
Aの独り言を聞いてしまう


だめじゃねぇよ！！


思わず手を掴み……
突然の事に驚くAを抱きしめた。


「せっかく来たのに帰んなよォ……」


Aは拒否せず抱きしめる俺を受け入れた。
そして、最近の事を粂野から聞いたと
打ち明けてきた。


「沢山話聞くから……ね？
どんな実弥でも受け止めるから……
実弥を支えたいの」


それを聞いて俺は何ともいえない
気持ちになる。
なんだ？この感情は……

もしかして愛ってやつ？→←支えたい

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