幼なじみの彼と彼について 2

お別れ ページ40

楽しい時間とは……
こんなにも早く過ぎてしまうものか……

さゆり達と合流して4人で電車に乗る。

時計を何度も見る

実弥の寮の門限は21時。

あまり時間がない。


さゆりがその様子を見て

「私達二人で帰るから、あんた達二人でイチャイチャしなよ？」

「ちょっと……イチャイチャって……」

「だって、実弥、暫く帰れないんでしょ？」

そうだ……。私だって忙しくなる。
黙りこむ私。

じゃあね？と、さゆりと先輩は去って行った。

「……行っちゃったね？」

「だなァ。」

乗り換えの為に電車を降りると

時間をみる。

電車の時間を見ると……

あと1時間。

1時間経ったら、別々の電車で帰る事になる。

「今日は楽しかったね？」

「うん…楽しかった」

「サッカー…リーグ戦、一緒になったら会えるね？」

「生Aを見れるな」

「やだ、その言い方。あはは…」

話をしているうちに別れの時間が
刻々と近づいてくる。



嫌だな……



「暫く会えなくなるね？
私、毎日メールするから」

「俺も……」

「実弥はモテるから心配……」

「俺はお前しか見てねぇよ。昔も…今も」

実弥が私の髪を耳にかけ、頬を指でなぞる。

さらりとこんな事して……

こんなドキドキするような事……

どこで覚えたの？

実弥から目を離せない……



「キスしていいか？」



ドキンと心臓が跳ねる


「人が見てるかもよ？」



「関係ねぇ……」



私の体をそっと引き寄せ



唇を重ねる



3回目のキスは…



涙の味がした



唇が離れると



通り過ぎる人を気にすることなく



時間が来るまで



実弥は私を抱きしめた



ホームにお互いの電車が到着した


「じゃ……またね？」

「あぁ。またな」


繋がれた手を離すと


それぞれの電車に乗り込む。


電車が発車し、窓越しにお互いが見えなくなるまで手をふった。

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