幼なじみの彼と彼について 2

会えない ページ16

日曜日

痛みも治まったので、
さゆりと美容室へ行き、ショートに切った。

「とっても似合ってますね？Aちゃん、お顔小さいからショートの方が素敵かも」

「ありがとうございます」
嬉しいけれど、正直恥ずかしい……
今まで髪で顔を隠すようにしていた
私なんだから。

「どうかな？」

カットし終わった私を見て
「Aってさ…ショートのが似合うわ……可愛い。実弥、惚れ直すな」
ニコニコしてるさゆり。



そういえば……
あの事件以来実弥と顔を合わせてない。
どうしたのかな…


夜実弥の部屋を見てみると、電気が、ついていた。
よし。今なら……

窓を開け、棒のようなもので実弥の窓をつっつく。

コツンコツン









反応がない。

あれ？聞こえないのかな？

もう一度つっつく。

コツンコツン









いくら待っても

実弥の部屋のカーテンが開くことはなかった



どうしたんだろう。

お風呂とかかな？

電気消し忘れただけかも？

色々考える。







その夜、実弥がカーテンを開けることはなかった。

次の日、実弥が学校へ行く時間を見計らって
家を出る。
外で待っていると

実弥の家の玄関ドアが開いた。

「さね……」

私が覗き込むとおばさんが出てきた。
「Aちゃん？おはよう。あら？髪切ったのね？似合ってるわよ？」

「おばさん、実弥は？」

「実弥すごく早い時間に出ていったわよ？もしかして約束してた？ごめんねぇ？」

「いえ、大丈夫です」
おばさんに挨拶して家に戻る。

「あれ？実弥と学校行かなかったの？」
さゆりが聞いてくる
「うん…会えなかったー」
笑って答えると
「あ、まだ休んでるって思ってるかもね？」
さゆりが言う。

「さゆり、一緒に行ってくれる？」
さゆりはにっこり笑い
「もちろんだよ！行こっか」

二人で登校する。

「ねぇ？あれから、実弥と会えてないんだ」
さゆりに話を切り出す。

「うん…私も気になってた。あの日、病院にも来なかったじゃん？」
さゆりも首をかしげていた。

「ま、学校で会えるし。顔見た時に話せばいいんじゃない？」

「うん…」



学校へ行くと

「A！」
まゆが走って抱きついてきた。
私も、まゆにぎゅっとしながら
「心配かけてごめんね？」
へへっと笑うと
「髪…ショート似合ってる！！」
「ありがとう」

私の話は広まっていて
クラスメイト達は心配してくれていた。
優しい言葉に泣きそうになる。


でも本当は…実弥と話したいのに
どうして会えないの？

不安になる

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