幼なじみの彼と彼について (ページ33)

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放課後

実弥を待っていると
反対側から天元と先輩が歩いてくるのが見えた。
楽しそうに話している二人を見ると、
どう見ても付き合ってるようにしか見えない。

そのうちきっと、付き合うんだろうな……
遠くから見てると、やっぱりお似合いだ。

こっちに来る……
いやだな……
実弥、早く来てほしい

そう思っていると
階段から数人の友だちと実弥が降りてきた。
あ、やっと来たと、視線を移す。

友達とじゃれながら降りてきた実弥をじっと見つめていると、実弥が私に気づく。

「俺、あいつ待たせてっから」
と友だちに言う実弥の声が聞こえると
実弥の友達の視線が私に集まる。

「うわ！不死川お前ー！いつの間に？」
「お前だけ抜け駆けは許さん！」
何人かが騒ぎだす。

あ……そんなに騒ぐと
周りの人がこっち見るじゃん……

天元に聞こえちゃう…

素早く実弥の所へ行く。
「実弥？」

「おぅ…待ったか？」

「今来たとこ。早くいこ？」

実弥の友達の騒ぎに気付き、
先にいた天元がこっちを見た。
騒がれている先にいる私を見つけ
私と目が合う。
少し驚いた顔をして立ち止まっていた。
そして、その視線は隣にいる実弥に向かった。

実弥も天元を見ている。

ど…どうしたらいいの？
私は天元から視線を逸らす事しかできず、
俯いていると

「A？行くぞォ」
天元に聞こえる声で私に言い外へ行く。

「う…うん。」

私も実弥について行き、天元に背を向けた。

後ろから
先輩の声が聞こえる。
「あれ？あの子…」

何を話していたかわからないけど、私達の事を話していたのは間違いない。

ドキドキしていると
実弥が
「大丈夫か？」と聞いてきた。
実弥、心配してくれたんだ……
どこまでも優しい。
「ありがとう、大丈夫だよ。行こう？」
私は実弥に笑顔を向ける。

天元から二人で離れていく。

天元に対する気持ちのケジメをつけよう。

大好きだった天元

本当にさよなら